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カツカレーとの闘い

喘息の検査で病院に行った帰りに、早めの晩御飯をと食堂に入った。そこの食堂のカツカレーを微妙に気に入っているからだ。

気に入っていて、注文していて、その挙句こんな告白も卑怯だが・・・、
昔、私はカツカレーが許せなかった。
そして実は、今でもまだ100%許せているわけではない。

*

カレーライスの思想は理解できる。その基本構造はきわめてシンプルだからだ。

カレーソースのかかったご飯。
言うなれば、これは一騎打ちだ。
ご飯が勝つか、カレーが勝つか。

赤組 対 白組
仮面ライダー 対 ショッカー
源氏 対 平氏
松本人志 対 浜田雅功
赤コーナー 対 青コーナー

世界を二分しての一対一の闘い。天地を揺るがすアルマゲドンだ。圧倒的なカレーの物量に溺れ、尻込みし、足掻くご飯。または、巨大なご飯の白い山脈を潤そうと果敢に攻める黒い大河。

時にカレーは戦闘開始以前からご飯の上に陣取り、時にはその横で虎視眈々と包囲網を展開する。場合によっては、別の世界から銀色の食器に載って空爆のように殲滅線を開始する。
初めての店では、カレーとご飯、お互いの容量が未知のままで始まるという異種格闘技対戦の様相をなす場合も多い。カレーが別の容器に陣取っていたりしたらばなおさらだ。たいていの場合そういう容器の形は不定形で内容量の見積もりが難しい。闘いの半ばで、未知の容器が上げ底であったことに気がついたときには絶望感に襲われるだろう。

しかし闘いの基本は、お互いに戦力をオープンにした状態から始まる。このような完全情報ゲームではペースの維持が勝敗の鍵を握る。スタート時点での(カレー/ご飯)比率を一定に維持したままで闘いを進めるか。それとも最後にカレーの逆襲をかけるために、ご飯比率が若干多めのスロースターターのペースで火蓋を切るか。それが勝負の分かれ目だ。私は後者の戦略をとることが多い。

そんなペース争いだからこそ、福神漬けは絶妙な役割を果たす。時には拮抗した闘いにブレイクを指し、時には残量少なくなったカレーとともにご飯に挑む。小粒だが必要不可欠。 
「ネ畐 ・ ネ申 ・ キター!!」  
そんなアカデミー助演男優賞クラスのバイプレイヤーになる。

それが、カレーライスの世界だ。

*

でも、カツカレーでは。
嗚呼このカツカレーでは。
トンカツの立ち位置が 分からない。

喩えるなら・・・
赤コーナーのアントニオ猪木と、青コーナーのハルクホーガンが世紀の一戦を迎えようとしているときに、ジャイアント馬場がリングの中にいるようなものだ。

食欲と香辛料の嗅覚にたけり狂っていた観客も、レフリーのように鎮座する福神漬けも、沈着冷静な冷たいコップの水でさえ、思わず突っ込みを入れてしまう。

ちょっと待て、と。
あんたどっちの味方だ?と。

*

A:(カレー+カツ)vs(ご飯)
B:(カレー)vs(カツ+ご飯)

この組み合わせによって、ドラマのストーリーは大きく変わってしまうのだ。

疑念的困惑。妥協的解釈。妄想的決断。優柔不断なる韜晦。

え?
「日本では、オカズvsご飯、この構図は決まってるんだろうが」
ほう、そうおっしゃいますか?
でもよく事態を分析していただきたい。

通常、トンカツがピン芸人として舞台を開くときには、ソースで武装しているものだ。脇にはキャベツを従えて。場合によっては辛子からのサポートさえ望める。その圧倒的陣地の中で王者のようにご飯を迎え撃つ。これがトンカツの無敵のファイティングスタイルだ。

しかし、このカツカレーという混戦の中で、トンカツはソースによる武装をまるでしていない。まるでこの未知の状況を楽しむかのように、ノーガードのままで、ロープに寄りかかるジャイアント馬場のように、ご飯の上に無造作に乗っかっている。

ここに至ってカレーは、動揺を隠せない。
(まさか・・・まさか、この豚野郎、ご飯との闘いを控えた俺に、お前の味付けまでさせようというのか?)

上空からのご飯へのカレー空爆。しかし、本来は必勝パターンであったはずのその一撃が、ご飯にほとんど影響を与えていないのだ。そのカレーは、トンカツが吸収している。吸収されてしまっているのだ。これがジャンプの連載マンガだったら、驚愕の顔のままで来週に続いてしまうところだ!

ご飯にカレーが届かないならば、カレーとライスは「カレーライス」たり得ない。それでは「カレー ・ ライス」だ。卑しくも日本人であるならば、こんなところに「・」を打つことは許されないはずなのに。

いや待て。いや待てよ。
ただでさえ絶対的な戦闘力を誇るオカズ界の猛者、トンカツだ。それにカレーが応戦すれば、無敵のオカズになる筈なのだ。それでご飯を攻めればひとたまりも無いはず・・・・

カレーとトンカツの華麗なる融合。
合体!

Gファイター + ガンダム = Gアーマー

って戦闘能力増えてねえ!!!!!
Gファイターの時点から武装はそのまま!
質量と体積と当たり判定が増量、って戦力減ってるじゃねえか!!!

君自身の舌で味わってみたまえ。
カツにカレーをかけて、・・・うんうん、まあ美味。確かに。
そして、そのオカズに白いご飯を・・・・
?????

それは、「カツカレー ・ ライス」だ!
必要なのは「カツ ・ カレーライス」ではなかったのか?

よし、発想を転換してみよう。「カツをオカズ」にして「カレーライス」を食えばいいのだ。ソースの無いカツを、パクリ。・・・

違う!違う!(大人の理屈を否定するナウシカのように首をふる)
ソースの無いカツなんて、クリープの無いコーヒー・・・はふつうに美味いブラックコーヒーだけど、えーとえーと・・・イチゴの無いショートケーキだ!水のないオアシス!秘密道具の無いドラえもん!どこにも君を隠していないあの地平線!(…って君って誰だ!?)

ソースか?この期に及んでソースを導入しろと?
しかしそんなことをしたらキッチンから海原雄山(の、そっくりさん)が出てきて、テーブルをひっくり返されてしまうのではないだろうか。

・・・はっ!

逆か?逆なのか?
「カレーライス」をソースとみなして、「カツ」を食う。
「カレーライス」が「カツ」をサポート。
オカズとご飯の主客転倒コペルニクス的大回転。
コロンブスの卵。

パクリ。
・・・・

無理!絶対無理!こんなソースありえねえっっっっ!
ソースでおなかいっぱいだよ!

そう、大体、このカツカレーじゃあ、カツ面積の50%(当社比)には、既にカレーの先鋒隊が吸収されているのだ。戦局の開始以前に! この吸収されたカレーを戦力計算に入れなかったら、ご飯とカレーの戦力比は絶望的だ!
既にして(カレー…?)ライスになってしまっている!
この戦況下でさらに援軍を出せと?
こんな戦力比でも勝てるのは諸葛孔明先生くらいなもんだよ!


待て。待てよ。
このカツカレーという日本的な現象を、二極的な対立という西洋的なフレームワークで考えていたことがそもそもの間違いなのかもしれない。
天下三分。東洋的調和の美学。和をもって尊しとなすべし。
三つの力が一つになれば、一つの正義は百万パワー! (byゲッターロボ)

「カツ ・ カレー ・ ライス」

三つをなして一つとなす。全部を渾然と一体になして、カオスの渦に万物を溶かし込むように、口の中に。

・・・・も・・・ぐ・・・・

口がいっぱいで満足に噛めません。
突っ込みも満足に入れられません。

ごくり

そもそも、だ。
トンカツの奏でる伝説的セッション、「カツ丼」と比較してみれば構造は同一だ。
・トンカツにはだし汁が余裕で染みこんでいる。
・ご飯にはおなじ汁が染み渡っている。
それがカツ丼というトンカツの二番目の戦闘モード。
この場合には、カツを噛み締め、その余韻が残る口の中に、だし汁にひたったご飯を駄目押しのように投入すればよろしい。打ち寄せる荒波のように繰り返す連続攻撃。わが軍は圧倒的じゃないか!

しかし、遥かインドから渡ってきたこのカレーと言う料理においては!
日本で特殊な進化をした結果、あまりに濃厚な形状になったがゆえに、だし汁のような小回りを効かせることができない。だし汁があくまで主役を押し立てるサブキャラであるのに対して、カレーはあまりにも自己主張が強すぎる!したがって、もう一人の主役であるトンカツと共同戦線を張って「頬張る」という物量戦争に投入されるには、あまりにも不似合いなのだ!

では、どうすれば? (もぐもぐ)
このカツカレーを (もぐもぐ)
前にして (もぐもぐ)
私は!

もう、この余りに複雑な展開を前にして、福神漬けもラッキョウもどう手を出していいのやら。

混戦に告ぐ混戦。
不確定な未来と妥協の中に一歩一歩と這いずるように進んでいく。こんな不可解な状況において、暢気にカツカレーなんか喰っていられるか!

・・・・・と、考え終わったころには、カツカレーの最後の一口を食べ終わっておりました。
いやいや、おいしかったです。ごちそうさまでした。










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【流石矢一のわがまま言うぜ】

流石矢一ファン必見!!!熊本県出身 火の国の男  俳優・タレント・司会など色々な顔を持つ男。流石矢一 公式ブログをみのがすな!!

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カツカレーを食しながらの葛藤、堪能させて頂きました。笑いすぎて腹痛くなりながらも深い分析に脱帽です。もうただではカツカレーは食べられません。
しかし、俺もカツカレーは好きだぁーっ!

はじめまして。
今、初めて気づきました。
私が、人生において一度もカツカレーを食べたことがないことに…。

>もうただではカツカレーは食べられません。
正しい食べ方を会得したらぜひ教えてください。
>一度もカツカレーを食べたことがないことに…。
なにーっ!ひょっとするとムスリムな方!
っつうか、大抵カロリー的にやばいので避けるヘルシーな方も多いかもしれませんねえ・・・

自分の働く淀屋橋(大阪)には、肥後橋っつー商店街があって、俗に(?)『肥後橋カレー戦争』と言われるくらい(マジで)カレー屋が多いです。

>『肥後橋カレー戦争』
仁義なさそうだー!!
肥後橋、その名前は憶えておこう。関西出張があったときのために・・・ (ちゃららーん)

世界は戦いで満ちている

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● カツカレーとの闘い  とある食堂で繰り広げられた壮大な物語。  しかし、その実態は「東京大学物語」の主人公・村上の妄想のごとく、きわめて短時間に事態が展開し、そして収束したものと推定される。  それにしても、この程度のことで混乱しているようでは、コン...
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