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キレるの補足

先日書いた「キレる」に関して、思いのほか反響があり、一応いい加減に書いた部分と参考文献を補足。
蛇足とも言いますが。
よりマニアックな内容なので、興味のある方だけどうぞ。
【ドブネズミの密度の実験に関して】=================
ジョン・カルフーンという動物学者の実験だそうです。
適当に要約しますが、ニュアンスの違いや舌たらず部分などもあるかもしれません。
興味のある人は近所の図書館にでも行って、引用元の「かくれた次元」を直接当たってください。

・自然状態では、1/4エーカーの土地には150匹程度のネズミしか生息しない。食物がたっぷりあって、敵による捕食という圧力も無かったのだが、28ヶ月の実験で200匹を超えることは一度も無く、ほぼ150の線を保っていた。 (「ネズミ算」で増えているならば28ヶ月で5000匹になっていたはず)

・群れはいくつかのグループ(コロニー)に分かれ、一つのコロニーは最大12匹のネズミから構成される。
 この数を越えると過密状態から過剰なストレスが発生し、抵抗力の低下や、攻撃性が強まる傾向が生まれる。

実験環境を整えて強制的に、一箇所に過剰にネズミが集まるようにしたところ、以下のような結果が観測された。

 オスの間にいくつかの型が区別できるようになった
1 攻撃的なドミナント・オスは、正常な行動を示した。 
     (強い奴にはストレスがかからない)
2 受身なオスは、行動も性行動も避けるようになった。
     (弱い奴にストレスが過剰にかかる)
3 過剰に攻撃的でメスにつきまとうオスが発生した。
     (サディスティックな性行動&ストーカー?)
4 老若男女かかわらず乗りかかろうとするオスが発生した。 
     (同性愛もなんでもあり)
5 社会的、性交渉から引いて外に出て行ってしまうオスが発生した 
     (ひきこもり?)

一般に、互いに攻撃を抑えることができなくなり、理由も無く尾を噛みあう。 見境の無い汎性愛やサディスムが始まる。

メスの行動としては
・おちついて巣を完成できず、子育てが上手くできなくなる傾向が生まれる。
・自分の子を正しく認識できない傾向が生まれる。
・メスと子供の死亡率が高まる。(弱者にストレス?) メスの死亡率はオスの3倍半。
・妊娠を維持することが困難になる。流産率の増加。
・卵巣、子宮に障害が発生、癌も発生。
・オスから離れて暮らすメスがあらわれる。(シングルマザー?)。
 彼女達が子供の育成に成功する比率は、雑居状態の10倍から25倍 (!)

といった感じ。
同書には、このほかに関連研究がいくつかあげられています。

この内容を議論で引用とかしようと思う人は、是非一回は、元の本を読んでみることをオススメします。読みやすいし面白いです。




【職人とメディア】=================
「メディアが発達した現代での、職人モチベーションを維持することの困難さ」
という点について、似たような内容を指摘している人は、結構多いです。
最初に言いだした人かどうかは、ちと知りませんが、とりあえず社会学の大家
リースマン「孤独な群集」(1960)という本から引用すると、こんな感じ。


今日の芸能人は、かってないほど専門家なのである。アマチュア芸能人は専門家の敵ではけっしてない。アマチュアの芸能人は専門化には到底、たちうちできないのである。
・・・
他人指向型の人間はどこを振り向いてもメディアに取り囲まれている。
かれはそれに直面しなければならないし、またそこから圧力を感じないわけにいかないのだ。
 
このようなわけで、今日では仕事の領域での才能を持ち続けるのが難しいのと同じように、遊びの能力を持ち続けるというのもまた、きわめて困難な作業になって生きているように思える
 
・・・
 
われわれは仕事と遊びの両方の領域で「疎外」されているのではないか。


今のメディアの発達度合いは、50年前のリースマンの時代の比じゃないですけどね・・・

というわけで、権威に弱そうな人にこういうことを話そうと思ったら、
「ネットでどこの馬の骨がかれこれ言っていた」
というよりは、
「有名な社会学者のリースマンの説によれば」
と言ったほうがハッタリが効くでしょう。・・・ハッタリはね。
まあ、誰が言おうが言ってることの中身はかわらねえとも思うんですけどね。

こういうのはお絵かきばかりじゃないですね。
ちょっと似て非な話ですが、たとえば
シリコンバレーからの手紙:「学習の高速道路」は良いことずくめにあらず」
なんかでは、将棋とかプログラマとかについて、色々と別種の諦観が書かれています。




【出生率に関して】=================
>「少子化問題」でおたおたするより先に、「健全な人口密度」を冷静に考えなおして
>みるほうが重要な気がする。
と書いた点について、

「やっぱり夫婦あたり二子というほうが種の保存という点でよいと思う」

というご意見いただきました。
いや、私も「自然である」という点において、原則的にそう思います。少々舌足らずでした。

ただ、
・労働人口とか何とか、経済学の観点から人口増加させろ、というのはオカシイ。
 人間の生態学が先にあって、それに経済を適合させるほうが好ましい。
 (とはいえ、そんなことができる政治家なんて歴史上いたわけもないのですけどね)

・どこまでも人口が増加し続けるということは、数字上ありえない。
 どこかで「増加率は0」にしないと。
 そしてまた、寿命が延びているというのも、人口増加に他ならない。
 「寿命が延びた分、子供が減っている」という人口密度一定のジレンマ。
 だからって、老人に死ねとは言えないでしょう?・・・私もおばあちゃんっ子でしたし。

・出生率の低下は「結果」であって「原因」ではなかろう
 、というのが言いたいことの趣旨です。
 したがって、「健全な環境」においては「健全な出生率」が自然に発生するだろう、と思っている。
 ここでいう「健全な環境」とは、経済とか表面上のライフスタイルとかの問題ではなくて、あくまで「生物としての個体密度」のこと。
 「私たちが、生物として危険なくらいの人口密度の中にいるから、『自然と』出生率が下がっている」 のでは?ということです。・・・だからせめて、大都市機能の分散とかは考えたほうがいいかもしれないと。

 経済状態とか、ライフスタイルとか、倫理観の問題とかを持ち出して、無理やり出生率を上げようという昨今の風潮は、問題の根っこの部分を無視した、あくまで「表面的な対処療法のレベル」でしかないのではないかと危惧している。

というところでしょうか。



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なるほど、とても興味深い文ですね!
周りに人が多いと、人が煩わしくなり
周りに人が少ないと、人が恋しくなる。
進学のため地方から出てきて、人の多い大学にいると
自然と人のいないとこを探す自分はいることに気づきました。

たにへいさん、どうもです。
私も人に囲まれていると集中できない困った
人でして、会社で怪しげな実験室とかに篭って
ヘンなプログラム作ってみたりしてます。
これは、会社内ひきこもりなのだろうか・・・。

各種の社会問題が本能に要因を持つ"異常"行動で,
個体数を維持するための種としての自衛作用であるならば,
それに対して"対策"することは種としての存続を危うくさせることになる.
そんなヤバイ事はあまり考えたくないって感じじゃないですかね.
この議論を踏襲した上で妥当な対策を考えると
「各種の"異常"行動を問題としない様に社会の方を改変すべきだ」
と言うことになり.
一種の革命論になるので偉い人はあんまり触れなかったり,
現状に満足してる人が興味を持たなかったりするのではないですかね

学校の図書館から拝借してきました!
早速読んでみることにします

「"異常"行動を問題としない」ことによって
結果的に"異常"行動が強化されてしまったというのは
(私を含め)リベラル派の失敗/罪か、とも思うのですが。
 
>種としての存続
あまりこの部分の思索を無遠慮に掘り返すと、
「生物の無目的性」という深い虚無に足を取られます。
74さんが指摘しているような「社会の自己正当化の鈍感さ」
というのは、ある面「貴重で健全な鈍感さ」なんではないかと
・・・思わなくも無い気もするし。
 
私もその種の「社会の自己正当化」を腹立たしく思うことが多いんですが、嫌世感に心を流されると、どんなに「正しい」理屈でも「不健全な」理屈になっていってしまう。
これじゃただのテロリストだ。
と、思って反省したり、また腹立てたり。
まあ、私も姿勢の悪い人間なんですが、せめて今よりももう少しだけ背筋を伸ばして物を言える人間になりたいなーとは、いちおう思ってます。

>生物の無目的性
「キレる」の方でも紹介されていた人口過密によって起こる
問題というのは、「繁殖する」という生物本来の目的を見失ったときに起こる一種の警告のようなものではないのでしょうか。
どんな生物も生を受けたからには本能的には「繁殖する」ことを第一の目的として生まれてきているはずです。現在確認されている数々の異常行動は、人類がその勢力を拡げようとする事をやめ、精神的、身体的な享楽に耽っている事の証明なのでは?
地下のエネルギー資源も数十年内に底を尽きると聞いたような気もするし。目指せ外宇宙植民計画!!みたいな。

山田さん、コメントありがとうございます。
>目指せ外宇宙植民計画!!
ジオン=ダイクンの名の下に!
 
どうなんでしょうねえ。少なくとも西洋宗教の神様は
「生めよ、増えよ」とかアブラハムに言い放ったそうですが、
・・・増えすぎやねん!
という気もする。
でも、「繁殖する」が生物本来の目的、なんでしょうか?
上のドブネズミの実験が正しいなら、
「増えることに対するブレーキ」も生物のギミックに
入っている、ということになる気がします。
 
・・・あ、でも、生物の目的が「新しい居場所を探し続けること」だとすると、矛盾しないのか。絶滅を避けるための手っ取り早い方法は分散管理ですからね。なるほど、それで宇宙か。
 
「宇宙、それは最後のフロンティア・・・」

あー。なんか議論が、アシモフの「鋼鉄都市」みたいになってきましたね。あれってそろそろ映画化されないのかな?
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